日本大学理工学部機械工学科堀内・安藝研究室Vehicle Dynamics and Control Lab.

担当科目

機械工学ゼミナール

ビークルの運動と制御

ビークル(vehicle)とは「乗り物」という意味で,自動車,航空機,船,宇宙船などが含まれます.この講義では2年生で学んだ工業力学の知識を応用して飛行機と自動車の運動を考えます.まず,力学の基礎的な知識を用いて運動方程式(微分方程式)を誘導し,その力学的な意味について考えます.続いてコンピュータによってこの運動方程式を解くことにより,運動のシミュレーションを行います.さらに,簡単な運動の制御についても考えます.できれば工業力学I,IIおよびコンピュータプログラミングI,IIの単位を取得していると,この講義の理解が容易です.しかし,復習を含めて授業を進めますので,意欲のある人ならたとえ工業力学やコンピュータプログラミングの単位を取得していなくても受講可能です.

最初は航空機を質点と見なし,工業力学で学んだ質点の運動を応用して縦の運動方程式を導きます.2年生で学んだ工業力学,流れの力学などの知識だけで航空機の運動方程式ができあがります.この運動方程式を解析的に解くことは難しいので,コンピュータを用いて数値的に解を求めてみます.微分方程式の数値解法やプログラミングについて復習した後,実際に自分でプログラムを作ってみます.いろいろの条件でシミュレーションを行い,コンピュータの中で航空機を飛ばす面白さを味わってください.

次に,自動車を平面運動をする一つの剛体と見なし,剛体の平面運動の力学を適用して運動方程式を立てます.タイヤ特性の違いが自動車の運動にどのような影響を及ぼすか,自分で作ったプログラムで確認してみます.さらに,後輪を操舵するような簡単な制御を行ったとき,自動車の運動特性はどのように変化するかを調べます.

この講義は飛行機や自動車の運動を取り上げますが,運動力学や数学的モデルに興味があれば,特に飛行機や自動車の知識を必要としません.工業力学で学んだ知識で簡単な数学的モデルを作り,実際の飛行機の運動や自動車の運動がどの程度表現できるか,自分で確かめてみてください.

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