空気輸送・プラグ輸送とは本文へジャンプ

【空気輸送】

 天気予想図で,高気圧と低気圧がありますよね?そしてこの気圧差があると風が流れることは知ってますよね?この原理を管路に適用し,管内に空気を流すことで小麦粉やお米などの粒状あるいは粉状のもの(これを粉粒体(ふんりゅうたい)と言います)を輸送する方法を空気輸送と言います。原理的に掃除機と同じです。スイッチを入れると筒に空気が流れて,筒の先端から掃除機本体までごみを運びますよね?「筒→管路」,「ごみ→粉粒体」と考えていただければ想像できるかと思います。



【空気輸送の活用】
 主に食品工場,薬品工場において,工場内である地点から別の地点へ運ぶときに使われてます。また製油工場や廃棄物処理工場などのプラント(工場)でも大活躍してます。さらに船舶で運ばれてきた粉粒体を陸へ荷揚げするときにも使われております。20歳以上の人が飲むビールも,製造工場ではこの空気輸送が使われております。最近は,ごみを自宅から直接集積場に空気輸送により運ぶことも行われております。あまり知られていませんが,空気輸送は非常に私達の身近で使われており,私達の豊かな生活を支えております。掃除機も空気輸送の一種と考えることもできますし・・・

【空気輸送の長所】
 空気輸送の主な長所は下記の通りです。
  @管路を使うため外敵が進入し難く,衛生的である(食品関連に適している)
  A輸送物が飛散することがない
  B少人数で稼動できる(FA化)→人件費が抑えられる
  C輸送ラインの設計自由度が高い(曲がった管や鉛直,水平管を自由に組合せられる)
などです。

【空気輸送の種類】
 主に管の中に流れる空気速度により下記の図のように粉の流れが変化します。空気速度が速いときは(a)のように粉が浮遊した状態で輸送されますが,空気流量を減らし空気速度が遅くなると粉粒体は管底に集まるようになります。そして,(e)のように管断面を塞いだ塊の状の流れになります。この流れをプラグ輸送と言います。なお,浮遊した状態での輸送を低濃度高速輸送と言います。空気量が減るについて輸送動力の低減化が期待できますが,プラグ輸送の場合,粉粒体と管壁面とが接触しながら輸送されるため,摩擦抵抗が大きく,つまり圧力損失が大きくなり,輸送動力が大きくなる可能性があります。本研究室ではこの問題を解決するため,超音波を用いた研究を現在行っております。詳細は研究内容のページを参照下さい。