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コロナ放電

 吉田研究室2班では,主にコロナ放電中における予混合気の初期火炎核形成について研究を行っています.
火炎は弱電離プラズマであるため,電場が燃焼に与える影響について数多く研究されています.また,一般に不平等電界であるコロナ放電などの高エネルギ状態の電子を含む放電雰囲気において,通常の化学反応では不可能な反応が促進される可能性があると考えられてまする.そこで,平等及び不平等電界が予混合燃焼に与える影響を実験的に明らかにすることを目的としました.予混合気は主にプロパンと空気を混同させて使用しており,定容容器内の上下部に平板電極を設置し,高電圧をかけた状態で予混合気に着火させることで,電界の影響による火炎核の形成の挙動を解析しております.
 現在は上部の平板電極を針状電極にし,不平等電界,つまりコロナ放電を起こさせて火炎挙動の解析を行っています.着火にはYAGレーザーを使用し,レーザー誘起ブレイクダウンを燃焼室の中心部で起こさせることで着火しています.その結果,コロナ放電の影響により容器内上部に取り付けた針上電極から下方向の円錐状に火炎が伸張することが分かりました.07年度の研究では,この現象はコロナ放電によって発生するコロナ風の影響であるということを,LDVによる挙動解析により判明しました.
 08年度では,次世代燃料ともいわれる水素を用いた予混合気をレーザー誘起ブレイクダウンにて着火させ,燃焼圧力とシュリーレン法により撮影した可視化画像より火炎の挙動を解析する予定です.


      
            コロナ放電用定容容器図 (上部と下部に平板電極が設置)

        
                            YAGレーザー装置一式
                      
                  
           実験結果画像 (上部が平等電界の火炎挙動,下部がコロナ放電中における火炎挙動)