日本大学理工学部 機械工学科 木村・秋元研究室

研究内容

DBDプラズマアクチュエータを用いた噴流制御

 産業界で広く利用されているノズルから噴出する気体(噴流)の拡散混合を自在に制御することを目指し,DBDプラズマアクチュエータ(DBD-PA)を有する円形ノズルを設計・開発しました. DBD-PAに高電圧を印加して発生する誘電体バリア放電で誘起される流れによって噴流を制御します.DBD-PAは電磁気現象を用いるため,数kHzという高い周波数で駆動できるために機械システムでは成しえなかった高度な制御が可能になります.研究対象は空気噴流と可燃性気体の噴流です.噴流に発生する渦輪の周期を制御することで,噴流の拡散混合の促進や抑制を行っています.

円形ノズル内のDBDプラズマ
円形ノズル内のDBDプラズマ
DBD-PAによる噴流の制御
DBD-PAによる噴流の制御

DBDプラズマアクチュエータを用いた燃焼制御

 「DBDプラズマアクチュエータを用いた噴流制御」の研究の応用として,バーナー燃焼(浮き上がり火炎)の制御の研究を実施しています.制御する燃料ガスはバイオガスを想定した可燃性ガスです.バイオガスはカーボンニュートラルな燃料として注目されていますが,二酸化炭素を含んでおり,失火がしやすいという特徴があります.DBD-PAで制御を行うことで浮き上がり火炎の上下振動を抑制して,火炎の失火を抑制して可燃範囲を拡大する研究を実施しています.

シュリーレン法による未燃部分の可視化
シュリーレン法による未燃部分の可視化
DBD-PAによる浮き上がり火炎の制御
DBD-PAによる浮き上がり火炎の制御

太陽熱の有効利用による水素生成サイクル

 化石燃料を利用することで,地球温暖化が進行してしまいます.また二酸化炭素を排出しない水素燃焼が注目されていますが,現状,工業的に水素を製造する過程では二酸化炭素を排出してしまいます.これは化石燃料の改質することで水素を製造しているためです.そのため我々は二酸化炭素を排出しない水素の製造を目指し,太陽熱を用いた水素生成サイクルの研究を実施しています.本研究ではフレネルレンズで太陽光を集光して得られた太陽熱で亜鉛を蒸発し,発生した亜鉛蒸気と過熱蒸気を反応させることで水素を生成します.また亜鉛蒸気と過熱蒸気を反応させる過程で生じた酸化亜鉛を,太陽熱で加熱して亜鉛と酸素に熱解離する実験も行っています.熱解離で得られた亜鉛を水素生成に再利用することで,少ない資源で水素を多量に生成することを目指しています.

太陽光集光装置
太陽光集光装置
実験模式図
実験模式図
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